Buchanan SA, Jenderseck RS, Granet MA et al.:
Radiographic detection of dental calculus. J Periodontol. 58:747-751, 1987.
レントゲンによる歯石の検出
40年ほど前の研究です。
抜歯が必要な歯に対して、レントゲン写真上でっ観察されるの歯石の有無と、抜歯後に肉眼と顕微鏡にて確認された歯石の有無とを比較した調査です。
結果、
レントゲン写真にて写っている歯石は91.8%実際にある
レントゲン写真に写る歯石は43.3%である。
これからわかることは、レントゲン写真は実際にある歯石の半分以下しか写さない。歯石が写っていないから、ないわけではない
レントゲンに写らなければ、歯石はついていない――
そう思いたくなる気持ちは、私にもよくわかります。
写っていれば『ある』と強く思えるので、歯茎の中にある歯石を除去する時は「この辺にあるぞ。」と思いながら、歯の形をイメージしながら根の周りを触り、歯石に触れた時のボコボコする感触から狙って取っています。
そして、驚くほどレントゲン写真に写っていない歯石が多いです。これは触れた時の感触に頼って除去することになります。
この研究結果を知ったとき、「写っている=確実にある」「写っていない=安心とは限らない」という現実に、改めて診る目と触る手の大切さを強く感じました。
画像に頼りきるのではなく、実際の感覚と経験で確かめることを、私たちはこれからも大切にしていきます。
当院では、レントゲンに写っていないからといって、見逃さない・決めつけない診療を心がけています。
特に歯周病の治療やメンテナンスでは、専用の器具による丁寧な触診を通じて、目に見えない部分の状態まで確認しています。
見えていないからこそ、「大丈夫だろう」ではなく「もしかして?」という気持ちを持って向き合う――
それが、大切な歯を守る最前線だとひのまる歯科は考えています。
千駄木近隣にて、お口の健康や歯周病について不安なこと、気になることがある方は是非一度ご連絡ください。