Rees T, Biggs N, Collings C: Radiographic interpretation of periodontal
osseous lesions. Oral Surg 32:141-153, 1971.
50年ほど昔の研究です。今ではチョッと考えられない方法で行われています。
インドにて、41人の頭蓋骨が集められ、レントゲン写真を撮り実際の歯の周りの骨の形とレントゲン写真にどの様に写るかを調べたものです。
結果は、歯と歯の間の骨の状態や、歯の根の間の骨の状態はかなりの正確性をもって判断できたが、頬側や舌側の判断は難しかった。
これは、レントゲン写真を撮るときの方向が頬側からだけのため、歯と重なってしまう部分の骨の判断が難しいためです。
歯ぐきの中で起こる「骨のダメージ」は、レントゲンで見つけられるものもありますが、すべてが見えるわけではありません。
見えないところで静かに進む骨の損失は、患者さん自身も気づきにくく、症状が出たときには大きなダメージになっていることもあります。
だからこそ、「映っていないから安心」ではなく、「映っていても油断しない」――
そんな思いで、診療にあたるようにしています。レントゲンだけでなく、歯茎のポケットの状態の検査や前回の検査との比較などを含めて総合的に診断をしています。一つの検査だけで全てはわかりません。
歯ぐきの中で何が起きているのかは、目で見るだけではわからないことも多いからこそ、
当院では専用の器具での歯周ポケットの検査も丁寧に行います。
特に、外側や裏側の骨の変化はレントゲンでは見逃されやすいため、
「症状がない今こそ、注意深く診る」という視点を大切にしています。
本当に歯を守るためには、「見えるものだけを信じない」ことも、とても大切だと
ひのまる歯科は考えています。
千駄木近隣にて、お口の健康や歯周病について不安なこと、気になることがある方は是非一度ご連絡ください。