McGuire MK: Prognosis versus actual outcome: A long-term survey of 100
treated periodontal patients under maintenance care. J Periodontal 1991; 62:51-8.
100人の歯周病患者のメンテナンス記録に基づいた、
術者による予後評価と実際の経過の関係についての報告
アメリカの歯周病専門医の先生が自分で歯周病の治療を行った患者さんの長期間の経過についてまとめた研究です。
歯周病の治療後の検査結果から予測されることは、5年後と8年後で一貫することは少なかった。
今後の予測が一貫していたのは【良い】と評価された歯だけであった。
悪い、疑わしいや絶望的などの評価がされた歯の評価は変わることが多かった。
絶望的と評価された歯も8年後に半分が残っていたことは驚きでした。
ただし、この研究は治療に抜歯を行った歯は含まれていません。絶望的と評価された歯も徹底した治療と予防メンテナンスを行っていたことは重要なポイントです。
私は
「この歯はもう長くは持たないかもしれません」と伝えるとき、いつも迷いや葛藤があります。
けれどこの研究を読み、私の中で一つの希望が生まれました。
最初は長持ちしないと判断されていた歯が、時間とともに安定し、何年も残せたという事例がたくさんあったのです。
もちろんすべての歯が助かるわけではありませんが、「今どう見えるか」よりも「これからどう付き合うか」が未来を変えるということ。
そう思うと、私たちの診療ができることはまだまだあると感じます。
患者さんと一緒に、歯の未来をあきらめずに考えていきたいと思っています。
当院では、初めて診た段階で「歯周病だから抜きましょう」と決めつけることはありません。
その歯がどんな経過をたどってきたのか、今どんな状態にあるのか、そしてこれからどう変化する可能性があるのかを丁寧に見極めます。
とくに状態が不安定に見える歯ほど、適切な治療とメンテナンスによって大きく改善する可能性があります。
だからこそ、私たちは「残せる可能性」を最後まで大切にしながら、治療の選択肢を患者さんと一緒に考えていきます。
一度「ダメかもしれない」と思った歯でも、そこから未来が始まることがある。
そんな希望を、ひのまる歯科は大切にしています。
千駄木近隣にて、お口の健康や歯周病について不安なこと、気になることがある方は是非一度ご連絡ください。