この研究では、歯周病の治療を行った結果について報告された多くの文献を纏めて整理したものです。
歯茎の状態によって、深いところの歯石と歯垢を除去すること、外科処置を行うことでの結果の違いについて比較した。
結果、歯周ポケットが4mm以上だと深いところの歯石と歯垢を除去することが歯周病の状態の改善に繋がる。ただし、歯周ポケットが浅いのに、深いところの歯石や歯垢を除去すると歯茎にダメージがあるとわかりました。
「歯石を取れば、歯ぐきは良くなる」
そう思われる方も多いのではないでしょうか。実際に、深い歯周ポケットがある部分では、スケーリング・ルートプレーニング(SRP)と呼ばれる歯茎の深いところの歯石と歯垢を除去する処置はとても効果的です。
けれど、今回の研究結果を見て、あらためて感じたのは「すべての歯に一律の処置を行うことが、必ずしも最善ではない」ということでした。
特に、ポケットが浅い部分に対しては、むしろ刺激によってわずかに歯ぐきが下がってしまう可能性もあることがわかっています。
大切なのは、その方の状態を見極めて、必要な部分に、必要なだけの処置を選ぶこと。
治すための治療が、結果的に負担になってしまうことがないよう、丁寧に判断していきたいと思っています。
ひのまる歯科では、ポケットの深さや歯ぐきの状態を細かく測定し、治療が本当に必要な部位だけに的確な処置を行っています。
一律に「全部やりましょう」と言うのではなく、歯ぐきに負担をかけすぎないように、一人ひとりの状態に応じた判断を大切にしています。同じ歯でも部位によって深いところまで行ったり、深いところは触れなかったりします。
歯周病の治療は、力を入れるところと、あえて様子を見るところのバランスがとても重要です。
「ここまでなら治療の効果が高く、ここからは慎重に見ていく必要がある」
そんなふうに、患者さんの歯にとって本当にやさしい治療を選び抜くことを心がけています。
千駄木近隣にて、お口の健康や歯周病について不安なこと、気になることがある方は是非一度ご連絡ください。