Claffey N and Shanley D. Relationship of gingival thickness and bleeding to loss
of probing attachment in shallow sites following nonsurgical periodontal therapy.
J Clin Periodontol 1986; 13:654-657.
この研究は歯茎の深いところの歯石と歯垢の除去を行った後、歯周ポケットの浅い所の歯茎が下がることと、歯茎の厚さや歯茎からの出血の関係について調べたものです。
結果、歯茎が薄く出血のない浅い歯周ポケットの部位に深いところの歯石と歯垢の除去を行うと、歯茎が下がってしまう。
歯周病治療を受けたあとに、「歯ぐきが下がった気がする」と感じたことはありませんか?
これは、腫れた歯茎の炎症が治まったことによることが大きな理由です。しかし、歯茎が浅く出血のない浅いポケットだと、ダメージを受けて歯茎が下がることもあります。
たとえば、ポケットが浅く出血もないような場所でも、歯ぐきが薄いと0.3mmほど歯ぐきの位置が下がることが確認されました。
一方で、出血がある部位では、歯ぐきの厚みがあっても薄くても、そのようなことはほとんど見られなかったのです。
治療の効果を最大限にしつつ、余計なダメージを避けるには、個々の歯茎の状態にも目を向ける必要があると強く感じました。
ひのまる歯科では、歯周病治療を行う際、ただポケットの深さだけを見るのではなく、歯ぐきの厚みや出血の傾向もあわせて診断に取り入れています。
ポケットが浅くて、歯ぐきが薄くて敏感な部分には、必要以上の処置を控えたり、より丁寧で優しい方法を選んだりといった工夫をしています。
また、出血の有無は、治療効果や再発リスクのサインでもあるため、定期的なチェックと口腔内の変化の記録をしっかり行っています。
「歯石を取れば安心」ではなく、その先の安定をどう守るかを一緒に考える治療を大切にしています。
千駄木近隣にて、お口の健康や歯周病について不安なこと、気になることがある方は是非一度ご連絡ください。