Badersten A, Nilveus R, & Egelberg J. Effect of nonsurgical periodontal therapy:
III. Single versus repeated instrumentation. J Clin Periodontol 1984; 11: 114-124.
この研究も40年前のものです。
歯周外科を行わずに深いところの歯石を除去する場合、一度だけの場合と複数回(3回)の場合とで、どちらが理想的な結果となるかを調べたものです。
結果、1回でも3回でも結果は同じ。
さらに、治療後は9か月間かけて歯茎の状態は回復していきました。
この研究を読んで私が印象に残ったのは、「深いところの歯石除去は、一回でも複数回行った場合とで治療の効果にほとんど差がなかった」という結果です。
さらに患者さんの歯ぐきの状態は、治療から3〜9ヶ月ほどかけてゆっくりと改善していき、1回でも3回でも、長期的な結果はほぼ同じだったというのです。
余程の術者に技術レベルに差がある場合を除き、一回で良いのです。
1回ごとの処置を丁寧に行い、治療後のセルフケアやメンテナンスをしっかり続けることの方が、よほど大切なのだと感じました。
患者さんも何度も歯茎の深いところの治療を行わなくて済むのは良いことだと思います。
ひのまる歯科では
初回の検査で歯ぐきの状態やポケットの深さ、歯石の量をしっかり確認したうえで、何回の処置が適切かを判断しています。
深いポケットが多い場合や、歯ぐきが炎症を起こしやすい体質の方では、数回に分割して処置を行うことがあります。
一方で、比較的軽度な場合は、1回でも十分な効果が期待できることもあります。
「回数が多ければ安心」ではなく、「必要なことを必要なだけ」。
患者さんの体に優しく、そして無駄のない治療を目指しています。
千駄木近隣にて、お口の健康や歯周病について不安なこと、気になることがある方は是非一度ご連絡ください。