この研究は、40年以上前に発表された論文です。
インプラントは「噛めるようになる治療」として知られていますが、その“本当の強さ”はインプラントと骨とが直接結びついて長く安定して使えることにあります。
このインプラントと骨が結びつく仕組みは「オッセオインテグレーション(Osseointegration)」と呼ばれ、1965年にスウェーデンのブローネマルク博士によって初めて人への治療に応用されました。
このオッセオインテグレーションという現象は、もともとは動物実験で偶然に発見されたものです。チタンでできた器具をウサギの骨に埋め込んだところ、骨とチタンが強く結合し、取り外せなくなってしまった。この「予想外に外れない状態」こそが、のちにインプラントにとって理想的な骨結合とわかり、今の治療につながっています。
その後、犬や人の骨でも同様の反応が確認され、1965年には世界初のインプラント治療が歯が一本もないの患者さんに実施されました。実に10年以上にわたって安定して使われたという記録が残っています。
このような歴史的背景があるからこそ、ひのまる歯科では以下の点を大切にしています。
・オッセオインテグレーションが得られることを前提に治療計画を立てます
治療の成功は、骨との確かな結合が得られるかどうかにかかっています。事前の診査で骨の質や量、全身疾患等をしっかり把握したうえで、最適な位置に、最適なインプラントを選んでいます。
・埋めたあとにすぐ負荷をかけすぎないことが大切です
初期の研究でも、治療後に3〜6か月の“安静期間”を置くことで、インプラントがしっかり骨と結合しやすくなることがわかっています。ひのまる歯科でも、こうした期間の設計を丁寧に行い、長持ちする治療を目指しています。
・無理にインプラントを増やすのではなく、必要な本数で支える設計
ブローネマルク博士は「4本のインプラントでしっかり支えられた症例」も紹介しています。ひのまる歯科でも、過剰な治療はせず、必要な本数・場所にインプラントを埋めることで、安全性と費用のバランスを大切にしています。
・被せ物も長く安定して使っていただくために
インプラントと骨がくっついたとしても、その後のケアがとても大切です。歯周病と同じく、見えないところで炎症が起こってしまうと、せっかくのインプラントも危うくなります。だからこそ、定期的なメンテナンスでのチェックをおすすめしています。
まとめ
インプラント治療は、偶然から始まり、数十年の臨床研究を経て「確かな医療」へと育てられてきた治療です。今の私たちが「自分の歯のように使える」安心感を得られるのは、こうした研究の積み重ねがあるからなのです。
千駄木近隣にてインプラントを考えているけれど不安がある、どれが自分に合うか知りたい、という方は、ひのまる歯科にご連絡ください。どのようなお口の健康を手に入れて、どんな気持ちで生活を送りたいのかを一緒に考えたいと思います。