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2025.05.26

インプラント治療が成功するために欠かせない”オッセオインテグレーション”とは?

この研究も40年前以上前に発表されたものです。歯科治療の歴史において、とても重要な考え方だと思います。

インプラント治療が「しっかり噛める」「長持ちする」治療として評価されている理由は、人工の歯根があごの骨としっかり結びつく「オッセオインテグレーション(骨結合)」という現象にあります。

今回は、チタンインプラントが骨とどのように結びついていくのか、その仕組みと治療成功のために大切なポイントをご紹介します。

オッセオインテグレーションとは?

オッセオインテグレーションとは、インプラント体が骨と直接結合し、一体化することを意味します。チタン製のインプラントは高い生体適合性を持ち、骨と直接接触しても拒否反応が起こらず、安定した状態を保つことができます。

この概念は1950年代にスウェーデンの研究者ブローネマルクによって提唱され、臨床応用が進められました。チタンをウサギの骨に埋め込んだ際、骨がしっかりとチタンと結びつき、取り外しができないほど安定していたことが発見のきっかけです。

オッセオインテグレーションが成立するまでの過程

インプラント埋入直後には、インプラント周囲の骨が軽いダメージを受けます。しかしその後、血流が戻り、骨の再生が始まります。おおよそ6〜8週間のうちに新しい骨がインプラントの表面に形成され、安定していきます。

ただし、この間に無理な力が加わったり、感染が起きたりすると、骨の形成が妨げられてしまい、オッセオインテグレーションが成立しない可能性があります。インプラント治療成功のカギは、この初期の期間にどれだけ丁寧な外科処置が行われ、十分な治癒環境が確保されるかにかかっています。

骨と結びつく素材「チタン」の特性

チタンは、体の中で安定して存在することができる金属で、腐食や毒性のリスクが少なく、骨と直接接触しても問題が起きにくい素材です。チタンの表面には酸化チタンの保護層が自然に形成されるため、組織がこの表面を受け入れやすくなります。

また、最近ではチタン表面をさらに改良した「SLA表面」なども登場し、骨との結合がより早く、確実に起きるよう設計されたインプラントも使用されています。

外科手技の重要性

どれだけ優れたインプラントを使用しても、骨に過度の熱や圧力を加えてしまうと骨が壊死し、結合がうまくいかなくなる可能性があります。そのため、インプラント治療における外科的な処置では、十分な冷却を行い、骨に無理をかけずに丁寧に埋入することが非常に重要です。

また、インプラント埋入後はすぐに強い力をかけないようにし、最低でも3ヶ月ほどは安静期間を確保します。この期間に骨が新しく作られ、しっかりとインプラントを取り囲むようになります。

ひのまる歯科のインプラント治療の取り組み

ひのまる歯科では、インプラントが長期的に安定することを大前提とし、以下の点を大切にしています。

・治療前の精密検査で骨の状態を正確に把握し全身疾患等も十分に考えて計画を立てます。過去の論文や長期成績を元にした信頼性の高いインプラント体を使用 ・オッセオインテグレーションがしっかり成立するよう、治療中は骨に配慮した丁寧な手技を徹底 ・インプラント埋入後の定期メンテナンスを重視しています。

インプラント治療を成功させるためには、埋め込んだその日だけでなく、その後の毎日の管理とケアが何よりも重要です。ひのまる歯科では、初期治療から長期のサポートまで、責任を持って患者さんの笑顔を支えていきます。

ご相談はお気軽に

インプラント治療に関して不安や疑問がある方は、ぜひひのまる歯科へお気軽にご相談ください。

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