Adell R, Lekholm U, Rockler B, Brånemark P-I (1981): A 15-year study of osseointegrated
implants in the treatment of the edentulous jaw. Int J Oral Surg 10:387-416.
この研究も40年以上前に発表されたものです。
1965年から1980年の15年間にかけて1997本のインプラントの生存率について調べたものです。
インプラントは「どのくらいもつのか?」というご質問をよくいただきます。そんな疑問に対して、とても参考になる歴史的な研究です。
この研究結果の注目すべきはその生存率の高さです。下顎では最終的に97%、上顎でも88%という非常に高い値が記録されました。さらに、インプラントがしっかりと骨と結びついていた場合、それを撤去しようとしても全く動かないほど強固であったと報告されています。
治療が成功するためには、手術の手技や治癒期間、適切な補綴設計などが密接に関係しています。特にこの研究では、以下のようなポイントが守られていました。
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下顎では3〜4か月、上顎では5〜6か月の治癒期間を置く
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フレームは金属製で、噛み合わせの力を分散するように設計
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治療後も定期的なメンテナンスを継続
また、インプラントが失敗した原因としては、外科的な損傷や過剰な負荷、骨の吸収などが挙げられています。しかし、失敗があった場合も、適切な処置を行うことで再治療が可能であることも示されました。
しかも、これが40年以上前に発表された結果であることも重要なポイントだと考えています。
ひのまる歯科の治療方針
ひのまる歯科では、この研究から得られた教訓を大切にしながら、インプラント治療を行っています。
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骨や歯ぐきの状態を正確に診断したうえで、埋入本数・位置を慎重に決定します
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治療後の安定期間をしっかり設け、骨とインプラントが結びつくのを待ちます
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必要に応じて精密な被せ物の設計で破折を予防します。
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また少なくとも半年に一度以上のメンテナンスを通して、長く安定した使用を支えます
インプラントは「手術して終わり」の治療ではありません。長い目で見て、しっかりと付き合っていくことで、本来の力を発揮します。
千駄木近隣でインプラント治療についてご興味がある方は、まずはご相談ください。今の状態を丁寧に確認し、どのような選択肢があるかをご一緒に考えていきましょう。