この論文は、1997年から2004年にかけてインプラントに関する50本の論文を基に述べられています。
インプラントがしっかりと骨と結びつき、長く使えるかどうか。それは、インプラントを埋めた直後の「治癒の過程」にかかっています。今回ご紹介するのは、インプラント周囲の創傷治癒についての国際的な研究レビューです。これまでに発表された50本の論文をもとに、治癒の仕組みや、表面の加工技術がどのように影響を与えるかが解説されています。
骨とインプラントが結びつく過程とは?
インプラント治療が成功するためには、「オッセオインテグレーション」と呼ばれる現象が起こる必要があります。これは、骨とインプラントが直接つながり、ぐらつかない状態になることを意味します。治療直後から始まるこのプロセスでは、血液成分が集まり、細胞が増殖し、骨が少しずつ形成されていきます。
この期間中にインプラントが動いてしまうと、しっかりと結びつかず、最終的には失敗につながることもあります。そのため、治療の初期には安静に保つことがとても大切です。
表面の工夫で、骨とのなじみやすさが変わる
インプラントの表面にはさまざまな加工が施されています。たとえば、細かい粒子を吹き付けて細かい凹凸をつけたり、酸処理をしたりすることで、表面積が増え、骨と結びつきやすくなることがわかっています。
また、表面の「親水性」が高いほど、早期の治癒を助けることが期待されます。親水性とは、水となじみやすい性質のことで、インプラントが体液や細胞にスムーズに受け入れられるようになります。
ひのまる歯科のインプラント治療の考え方
ひのまる歯科では、インプラント治療を「手術をしたら終わり」ではなく、「長く快適に使えるためのプロセス」と考えています。そのために、次のような点を大切にしています。
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骨や歯ぐきの状態を正確に診断し、患者さんごとに最適な治療計画を立てること
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骨としっかりなじみやすいインプラント表面加工を持つ信頼性の高い製品を採用すること
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初期治癒期間中の無理な負荷を避け、安心して治癒を進められるようサポートすること
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治療後も定期的なメンテナンスを通じて、インプラントの健康を維持すること
最後に
インプラントがしっかりと結びつくかどうかは、目に見えない初期の治癒過程が鍵を握ります。どんなに高性能なインプラントを使っても、治癒期間に無理をすれば、せっかくの治療がうまくいかないこともあります。
だからこそ、治療直後の過ごし方、そして治癒のプロセスをきちんと理解しておくことが大切です。インプラントを検討されている方は、気になることがあればお気軽にご相談ください。