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2025.05.27

千駄木や谷根千エリアにお住まいの方で、インプラントの手術後に歯ぐきの腫れや出血を感じたことはありませんか?「インプラント周囲炎」という病気について、最新の研究をもとにわかりやすく解説します。

Schwarz F, Derks J, Monje A, & Wang HL. Peri-implantitis.
J Periodontol 2018; 89 (Suppl 1): S267-S290.

この文献は、インプラント治療後にインプラントの周りで炎症が起きるインプラント周囲炎という病気についての基準をわかりやすくまとめたものです。

インプラント周囲炎とは

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲の歯ぐきや骨に炎症が起こる病気です。進行すると、せっかく埋めたインプラントが抜けてしまうこともあるため、早めの発見と治療がとても大切です。

最初は歯ぐきの炎症(インプラント周囲粘膜炎)から始まり、それが放置されることでインプラント周囲炎へと進行することがあります。

どんなサインがあるの?

研究では、次のような症状がインプラント周囲炎の特徴として挙げられています。

・歯ぐきからの出血(特にポケット検査のとき)
・歯ぐきが腫れている
・レントゲンで骨の吸収が見られる
・ポケットの深さが6mmを超えている
・排膿(膿が出る)を伴うことがある

こうした症状があっても、痛みが出にくいため、気づかないまま進行してしまうことがあるのです。

どんな人がなりやすいの?

インプラント周囲炎にはいくつかのリスク要因があります。中でも注目すべきは以下の点です。

・過去に歯周病があった
・喫煙習慣がある
・セルフケア(歯みがき)が不十分
・メンテナンスに定期的に通っていない

歯周病の既往がある方では、インプラント周囲炎になるリスクが約5倍になるとも言われています。定期的な通院と正しいブラッシングが予防のカギです。

骨が溶ける?進行の仕方は?

インプラント周囲の骨が失われるスピードは、一定ではなく、あるときを境に一気に進行する傾向があります。見た目ではわからないことも多いため、レントゲン検査などでの確認が必要です。

さらに、研究では、頬側や舌側の骨はしばしば円周状に均等に吸収されることがわかっています。このため、気づいたときにはインプラントを支える骨の多くが失われていることもあります。

ひのまる歯科では、インプラント治療を行う際、治療後のケアまで見据えてしっかりとご案内しています。

・歯周病の既往がある方にはリスクを丁寧に説明
・セルフケアのポイントを分かりやすくお伝え
・3~6ヶ月ごとのメンテナンスを推奨
・レントゲンや歯周ポケットの定期チェックで早期発見

千駄木でインプラント治療をご検討の方、すでに治療済みで不安のある方も、ぜひ一度ご相談ください。早めのケアが、インプラントを長く安心して使い続けるための第一歩です。

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