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2025.06.03

埋入時の力が弱くても大丈夫?静かに支えるインプラントの力とは

Michael R Norton. The Influence of Low Insertion Torque on Primary Stability, Implant Survival,
and Maintenance of Marginal Bone Levels: A Closed-Cohort Prospective Study. Int J Oral Maxillofac
Implants. . 2017 Jul/Aug;32(4):849-857. PMID: 28708918

インプラントの治療を考えたとき、「しっかり固定されるかどうか」が気になる方も多いと思います。とくに、「骨が柔らかいから埋入時の力(トルク)が弱かったので、被せ物を作る時期を遅くしましょう。」と言われると、不安になるかもしれません。

ですが最近の研究では、埋入時のトルクが低くても、インプラントはしっかりと安定し、長く使えることが分かってきました。イギリスの研究者マイケル・ノートン先生が行った調査では、トルクが20ニュートンセンチメートル以下という比較的弱い力で埋め込まれたインプラントでも、1年後の生存率は100%だったという結果が出ています。

さらに、多くのケースで骨がほとんど減っていなかったことも確認されました。この研究に使用されたインプラントは、あえて強く締め付けすぎない設計になっており、骨に優しく、過剰な圧力をかけずにしっかりと固定できるのが特徴です。

つまり、「埋め込むときに強い力で締めなければならない」というのは過去の考え方であり、今は低いトルクでも十分に安定したインプラント治療が可能です。むしろ、強く締めすぎると骨が圧迫され、回復に時間がかかったり、骨が吸収されてしまうリスクがあるとも言われています。

ひのまる歯科では、患者さんそれぞれの骨の状態や体質に合わせて、最適な力加減でインプラントを埋入しています。埋入時の力はあくまで「過程」であり、大切なのはその後に安定して機能するかどうかです。もしもインプラント治療に不安がある方は、お一人おひとりに合った治療計画をわかりやすくご説明いたしますので、ぜひご相談ください。

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