ブログ

2025.06.04

インプラントが骨としっかり結びつくには?表面の「ざらざら」がカギだった

Giovanni E Salvi, Dieter D Bosshardt, Niklaus P Lang, Ingemar Abrahamsson, Tord Berglundh, Jan
Lindhe, Saso Ivanovski, Nikos Donos. Temporal sequence of hard and soft tissue healing around titanium
dental implants. Periodontol 2000. 2015 Jun;68(1):135-52.

インプラント治療の成功には、骨と金属がどれだけしっかりと結びつくかがとても大切です。この骨とインプラントがぴったりと結合する現象を「オッセオインテグレーション」と呼びます。

近年の研究では、このオッセオインテグレーションの進み具合には、インプラントの表面のざらざら具合が深く関係していることがわかってきました。

たとえば、犬を使った実験では、表面がツルツルに研磨されたインプラントと、少しざらざらした加工がされたインプラント(SLA加工)を比較したところ、ざらざらした方が骨との結合が早く、かつ強くなることが確認されました。

さらに、ざらざらした表面では、骨がインプラントに向かって直接伸びていく「接触型の骨再生」も見られました。一方、ツルツルのインプラントでは、離れたところから骨が伸びてくる「遠位型の骨再生」だけだったのです。

また、表面がただザラついているだけでなく、「水になじみやすい」性質(親水性)も重要です。親水性のあるインプラントは、傷口に血液がしっかり入り込みやすく、骨を作る細胞や血管、神経が早く集まってくることが分かっています。

最近では、人間を対象とした研究でも、親水性インプラントの方が、骨の再生や安定化が早いという結果が出ています。さらに、歯を抜いた後にできる大きな穴のような骨の欠損部分でも、親水性インプラントで骨との結合が良好に進むことが報告されており、臨床的にも注目されています。

ひのまる歯科では、これらの研究に基づいたインプラント製品を採用し、長く安定した治療結果を目指しています。目には見えない表面の工夫が、患者さんの未来の健康に大きく関わっているのです。

インプラント治療をご検討の方は、どのような種類のインプラントが使われるのかを聞いてみるのも安心につながるかもしれません。私たちは、患者さんが納得できる選択ができるよう、丁寧にご説明いたします。

TOPへ戻る
tel.03-5809-0707tel.03-5809-0707