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2025.06.04

インプラントの骨が減る原因は?骨の質とインプラントの選び方がカギ

Cristina Ibañez, Andrés Catena, Pablo Galindo-Moreno, Blas Noguerol, Antonio Magán
Fernández, Francisco Mesa. Relationship Between Long-Term Marginal Bone Loss and Bone
Quality, Implant Width, and Surface. Int J Oral Maxillofac Implants. Mar-Apr 2016;31(2):398-405.

インプラントの手術をした後、時間とともに歯ぐきの内側にある骨が少しずつ減っていくことがあります。これを「辺縁骨の吸収」と呼びます。骨が大きく減ると、インプラントがぐらついたり、見た目に影響が出たりすることがあります。

長く安定したインプラント治療を目指すには、この骨の減りをどれだけ抑えられるかがとても大切です。スペインの研究チームが、約9年にわたって558本のインプラントを追跡調査し、どのような条件で骨が減りにくいのかを分析しました。

その結果、いくつかの大事なポイントが分かってきました。

まず注目されたのが骨の質です。やわらかい海綿状の骨(タイプIV)では、かたく締まった骨(タイプI〜III)に比べて、意外にも骨が減りにくい傾向がありました。これは、海綿骨の方が血管や細胞が多くて回復力があり、インプラントの周りのダメージを修復しやすいからではないかと考えられています。

次に、インプラントの太さについても興味深い結果が出ました。直径が1ミリ太くなるごとに、年間でわずかですが骨の吸収量が増えるという傾向がありました。これは、太いインプラントが硬い骨に強い力をかけてしまうためかもしれません。

さらに、インプラントの表面の性質も重要でした。表面がざらざらしているタイプの方が骨との結合は早いですが、長期的には細菌がつきやすく骨が減りやすいという側面があることが示されました。一方で、表面がつるつるしたインプラントは骨との結合には少し時間がかかるものの、長期的には骨の減りが少なかったのです。

そして、かぶせ物の種類も影響します。取り外し式の入れ歯のような設計よりも、しっかり固定されたかぶせ物の方が骨が安定しやすいことが分かっています。

ひのまる歯科では、これらの研究結果をもとに、患者さん一人ひとりの骨の状態や生活スタイルに合わせて、最適なインプラントの種類や設計を選んでいます。見えない部分の選び方が、10年後、20年後の快適さに大きく影響するのです。

長持ちするインプラント治療をご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたに合った方法をご提案いたします。

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