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2025.06.06

失われた骨を取り戻す方法とは?インプラント治療を支える骨造成の技術

Goran I Benic, Christoph H F Hämmerle. Horizontal bone augmentation by means of guided bone
regeneration. Periodontol 2000. 2014 Oct;66(1):13-40. PMID: 25123759

歯を失ってしまったあと、インプラント治療を考えても「骨が足りない」と言われて戸惑ったことはありませんか?実は、歯を支えるあごの骨は、歯を失ってしばらくすると自然に痩せてしまいます。この問題を解決するために使われる治療法が「GBR(ガイデッド・ボーン・リジェネレーション)」です。今回は、そのGBRについて詳しくお話しします。

GBRは、将来的にインプラントを埋める場所にしっかりとした骨を作るために行う再生治療です。特に、横方向に骨が足りない場合(水平的骨欠損)によく使われます。この治療法では、特殊な膜(メンブレン)と骨補填材を組み合わせて、必要なスペースを確保し、骨が自然に再生するのを助けます。

かつては、非吸収性のメンブレンが主流でしたが、手術後に取り出す必要があることや、口の中に露出した際の感染リスクが高いことから、近年では吸収性のコラーゲンメンブレンがよく使われています。これにより、患者さんの負担が少なくなり、自然治癒もしやすくなっています。

骨を増やすための素材としては、自分の体から採取する「自家骨」だけでなく、牛由来の「ゼノグラフト」や人工材料などもあります。中でも「Bio-Oss」という素材は多くの研究で有効性が示されており、世界中で広く使用されています。

また、最近の研究では、骨造成とインプラントを同時に行った場合でも、健康な骨に埋めた場合と同様に高い成功率が得られていることがわかってきました。ただし、どの方法が最も優れているかは今のところ明確にはなっていません。また、再生された骨の長期的な安定性については、今後の研究が期待されています。

ひのまる歯科では、インプラント治療を希望される方に対して、必要な場合は骨造成もご提案しています。骨が少ないからといって、すぐにインプラントをあきらめる必要はありません。しっかりと骨を整えてから治療を進めることで、将来的にも安心して使える歯を目指せます。

「骨が足りない」と言われて不安になった方も、まずはお気軽にご相談ください。千駄木の地域に根ざした歯科医院として、安心して受けられる治療を心がけています。

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