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インプラント治療を希望して歯科医院を訪れたとき、「骨の幅が足りません」と言われたことはありませんか?実は、インプラントを安全に支えるには、ある程度の骨の厚みや高さが必要です。そんなときに行われるのが「骨造成(こつぞうせい)」という治療です。今回は、特に「横方向に骨を増やす方法(側方的骨造成)」について、わかりやすくお話しします。
骨がやせてしまっている場所に、人工的に骨を作ることはできるのでしょうか?最近の研究では、インプラントの前にあらかじめ骨を横に広げることで、十分な骨の幅を確保できることが分かってきました。実際に世界中の臨床試験をまとめた報告では、25の研究のうち24件で、骨を増やしたあとに無事インプラントを入れることができたとされています。
使用される材料には、自分自身の骨を使う方法や、牛などの動物由来の骨、人工の素材などがあります。骨の形状も、粒状のものやブロック状のものなどさまざまです。メンブレンという膜で覆って骨の再生を助ける方法も多く使われています。
これらの治療によって、平均して3〜6ミリほど骨の幅を増やすことができたという結果も出ています。これだけの骨があれば、安心してインプラントを埋め込めるケースが増えるのです。
ただし、どの材料や方法が一番良いかについては、まだはっきりとした結論は出ていません。患者さんの体の状態や希望に応じて、歯科医師が最適な方法を選ぶことが大切です。
一方で、骨造成には注意点もあります。治療後の創部が開いてしまったり、骨を覆う膜が口の中に出てしまったりすることがあります。これらは治療計画や術後のケアでしっかりと対策をする必要があります。まれに感染や知覚異常が起こることもあるため、経験のある歯科医師による丁寧な手術が大切になります。
ひのまる歯科では、必要に応じて骨造成を含めたインプラント治療を行っています。「骨が足りないと言われたけど、どうしたらいいか分からない」といったご相談も多くいただいています。治療方法のメリット・デメリットをしっかりご説明し、安心して治療を受けられるよう心がけています。
インプラント治療を検討中の方も、まずはお気軽にご相談ください。土台となる骨を整えることで、10年、20年と長く快適に過ごせるインプラント治療が可能になります。