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2025.06.06

インプラントを支える「骨の土台作り」って本当に必要?よく使われる方法とその成功率

Tara L Aghaloo, Peter K Moy. Which hard tissue augmentation techniques are the most successful in
furnishing bony support for implant placement? Int J Oral Maxillofac Implants. 2007:22 Suppl:49-70.
PMID: 18437791

インプラント治療は、失った歯の代わりに人工の歯根を骨に埋め込む治療です。しかし、骨がやせていたり、足りなかったりする場合、そのままではインプラントを支えることができません。そんな時に必要となるのが「骨を増やす治療(骨造成)」です。

では、どんな方法があり、どのくらい成功しているのでしょうか?

世界中の多くの研究をまとめた大規模な調査によると、インプラントを支える骨をつくるために使われる主な方法は以下の4つです。

  1. GBR(骨誘導再生)

     特殊な膜を使って、骨が再生しやすい空間をつくる方法です。最もよく行われており、インプラントの生存率は約95.5%と非常に高いことが報告されています。

  2. オンレーグラフト(骨の板を移植)

     自分の骨を切り取って、やせた部分に貼り付ける方法です。こちらの成功率は90.4%とやや低めですが、状況により有効なこともあります。

  3. 骨延長術(ディストラクション・オステオジェネシス)

     骨を少しずつ引き延ばして骨の量を増やす方法です。成功率は94.7%と高く、一定の条件で選ばれることがあります。

  4. 複合グラフト(板状+内部に詰める)

     2つ以上の方法を組み合わせることもありますが、成功率は83.8%とやや低くなります。

このように、方法によって若干の差はありますが、どれも90%前後の高い成功率が報告されています。特にGBRは、安定した結果を出しやすいため、現在では多くの歯科医院で採用されています。

また、最近の研究では、骨を増やした場所にインプラントを入れても、自然な骨に入れた場合と同じくらいの安定性が得られることがわかってきました。特に治療後5〜6年程度までは、その差はほとんどないとされています。

ただし、骨造成が本当に必要かどうか、どの方法が合っているかは、お口の状態や希望によって変わります。また、骨造成を行うことで治療期間が長くなったり、費用がかかったりすることもあるため、事前にしっかりと相談することが大切です。

ひのまる歯科では、骨造成を含めたインプラント治療のご相談を多くいただいています。患者さんの生活スタイルやお口の状態に合わせて、最適な方法をご提案しています。「インプラントを考えているけど、骨が足りるか心配」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

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