Alessandro Cucchi, Elisabetta Vignudelli, Aldo Napolitano, Claudio Marchetti, Giuseppe
Corinaldesi. Evaluation of complication rates and vertical bone gain after guided bone regeneration
with non-resorbable membranes versus titanium meshes and resorbable membranes. A randomized clinical
trial. Clin Implant Dent Relat Res. 2017 Oct;19(5):821-832. PMID: 28745035
インプラント治療を成功させるためには、しっかりとした土台となるあごの骨が必要です。しかし、歯を失ってから時間が経つと、あごの骨がやせてしまうことがあります。このような場合には、骨を再生させる治療(GBR)を行ってからインプラントを入れる必要があります。
では、どのような方法がより安全で効果的なのでしょうか?
最近の研究では、40人の患者さんを対象に2つの治療方法が比較されました。ひとつは「非吸収性のチタンで補強された膜」を使う方法(グループA)、もうひとつは「チタンのメッシュを架橋コラーゲン膜で覆う」方法(グループB)です。どちらもインプラントと同時に骨再生を行います。
どちらの方法でも、垂直方向(高さ)の骨を約4ミリ増やすことができました。骨の再生量に明確な差はなく、どちらも良好な結果が得られています。インプラントの初期の安定性も高く、9割以上が理想的な状態で固定されました。
一方で、治療中や治療後に起こりうる合併症についても調べられました。神経の一時的な違和感などの手術による合併症は、どちらの方法でも一部に見られましたが、全て自然に回復しています。治癒期間中の合併症もそれぞれ15%から21%程度でしたが、両者の間で大きな差は認められませんでした。
この研究の結果からわかることは、あごの骨がやせていても、適切な方法を選べばインプラント治療が可能であるということです。再生方法に違いはありますが、どちらも有効で、担当する歯科医師が患者さんの状態にあわせて選択できます。
ひのまる歯科では、あごの骨の状態を詳しく調べたうえで、最適な骨再生方法を選びます。また、治療中の不安や合併症への対策も丁寧に行っています。骨が少ないからといってインプラントをあきらめる必要はありません。どうぞお気軽にご相談ください。