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2025.06.10

抜歯後のインプラント、いつ手術をするのがベスト?治療タイミングとその影響

Esposito M, Grusovin MG, Polyzos IP, et al. Timing of implant placement after tooth extraction:
immediate, immediate‐delayed or delayed implants? A Cochrane systematic review.
Eur J Oral Implantol. 2010;3(3):189-205.

歯を失ってしまったあと、「いつインプラントの手術をするべきか?」と悩む方は少なくありません。抜歯してすぐ?それとも少し待ってから?今回ご紹介するのは、世界中の研究からまとめられたインプラントのタイミングに関する知見です。

インプラントの手術の時期には、いくつかの選択肢があります。ひとつは抜歯したその日にすぐインプラントを埋める方法(即時埋入)、もうひとつは抜歯から数週間後に行う早期埋入、さらに2か月以上待ってから行う遅延埋入です。

過去に行われた研究では、それぞれの方法に大きな違いはないとする結果が多く報告されています。実際、即時でも遅延でも、インプラントがしっかり骨と結合して機能する可能性は高く、治療の成功率にも大きな差は見られませんでした。

ただし、やや気をつけたい点もあります。即時にインプラントを埋める場合は、抜歯した穴の周囲にすき間ができやすく、場合によっては骨を補う処置が必要になることがあります。また、治癒中にインプラントが揺れてしまうと、うまく定着しないリスクもわずかに上がる可能性があります。

一方、早期や遅延埋入では、抜歯した部分の回復を待ってからインプラントを行うため、安定性が得られやすい一方で、治療期間は少し長くなる傾向があります。

このように、どのタイミングが良いかは、患者さんのお口の状態や全身の健康状態、審美的な希望などによっても変わってきます。

ひのまる歯科では、患者さんのライフスタイルやお口の状態をしっかり見極めながら、最適なタイミングと方法を一緒に考えてまいります。歯を失ってしまったあと、「いつ、どのように治療を始めるか」に迷った時は、どうぞお気軽にご相談ください。

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