Purnima S Kumar, Shareef M Dabdoub, Rachna Hegde, Nanditha Ranganathan, Angelo Mariotti.
Site-level risk predictors of peri-implantitis: A retrospective analysis. J Clin Periodontol. 2018
May;45(5):597-604. PMID: 29575168
インプラント治療は見た目も機能も自然な仕上がりになるため、多くの方に選ばれています。しかし、「インプラントは長く使えるの?」「インプラント周囲炎って何?」と不安を抱えている方も少なくありません。
インプラント周囲炎とは、歯周病と似たような炎症がインプラントの周囲に起こる病気で、放置するとせっかく埋入したインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。
今回ご紹介するのは、アメリカの研究者Purnima S Kumarらが2018年に行った論文です。この研究では、5年以上使用されている222本のインプラントを対象に「どんな条件が周囲炎のリスクを高めるのか?」を検討しました。
結果として、特に注意すべき5つのリスクが明らかになりました。
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隣の歯に歯周病がある
インプラントの隣の歯が歯周病だと、インプラントにも悪影響を及ぼしやすくなります。歯周病の炎症が周囲に広がるため、オッズ比(発生しやすさ)はなんと8倍に。 -
深すぎる位置に埋入されている
歯の根元(CEJ)から6mm以上深い場所にインプラントが入っていると、清掃性が下がり汚れが付きやすくなるため、周囲炎リスクが8.5倍に高まります。 -
被せ物の形が左右非対称
かみ合わせや見た目に配慮して作られた非対称な形の補綴物は、清掃しづらくなり、リスクが約4倍になります。 -
過去に歯周病で歯を失っている
歯周病で歯を失ったことがある人は、もともとの炎症リスクが高く、インプラントでも再発しやすい傾向があります。リスクは約2.4倍。 -
プラーク指数が高い(1.6以上)
日々の歯みがきが不十分で、プラークが多い人では、周囲炎のリスクが約8倍にもなります。日常のケアがいかに重要かが分かります。
ひのまる歯科では、これらのリスクを事前にしっかり評価し、「インプラント 周囲炎」を未然に防ぐための予防プログラムを用意しています。
また、患者さん一人ひとりに合った埋入深度や被せ物の設計を行うことで、清掃性と機能性のバランスを保ちつつ、長持ちするインプラント治療を目指します。
インプラントの「失敗が怖い」「歯周病があるけど大丈夫かな?」とお悩みの方は、まずは相談をしてみませんか?