
Stephen T Chen, Daniel Buser, Anton Sculean, Urs C Belser. Complications and treatment errors in
implant positioning in the aesthetic zone: Diagnosis and possible solutions. Periodontol 2000. 2023
Jun;92(1):220-234. PMID: 36683018
インプラント治療は、見た目の自然さと機能性を兼ね備えた治療法として広く普及しています。しかし、特に上の前歯などの目立つ部分では、埋入位置のわずかなずれが「見た目の違和感」や「歯ぐきの後退」といった、審美的なトラブルにつながることがあります。
近年、こうした問題について詳しく解説されたのが、2023年に発表された論文「インプラントの審美領域における位置エラーとその対処法」です。この研究では、インプラントをどこに、どの深さで、どの方向に埋入するかが、治療後の見た目や長期的な安定にどれほど影響するかが検討されました。
例えば、隣の歯との距離が1.5mm未満だと、歯ぐきの間にできる三角形の部分(歯間乳頭)がなくなってしまい、見た目に隙間ができてしまいます。また、インプラントを頬側に寄せすぎると、歯ぐきが痩せて金属が透けて見えることもあります。
さらに、インプラントを深く埋めすぎると清掃がしづらくなり、将来的なトラブルの原因になることも。逆に浅すぎると、クラウン(被せ物)の形が不自然になってしまいます。
こうした位置の問題は、昔であれば術者の「経験」に頼る部分が大きかったのですが、現在ではCT撮影や3Dシミュレーション、サージカルテンプレートといったデジタル技術の進歩により、かなり精密な計画と埋入が可能になっています。
特に「抜歯後 インプラント時期」の選択も重要で、抜歯してすぐにインプラントを入れるか、しばらく待って骨や歯ぐきが落ち着いてから入れるかによって、埋入位置の選択肢や必要な処置が異なってきます。
ひのまる歯科では、千駄木の地域の皆さまに対し、このようなリスクを最小限に抑え、長く安心して使っていただけるインプラント治療を提供することを大切にしています。
インプラント治療を検討されている方、以前の治療に不安がある方、どうぞお気軽にご相談ください。



