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2025.06.14

インプラントの骨が減りにくくなる工夫とは?アバットメントの高さに注目

Marta Muñoz, Emma Busoms, Javi Vilarrasa, Matteo Albertini, Vanessa Ruíz-Magaz, José Nart . Bone
level changes around implants with 1- or 3-mm-high abutments and their relation to crestal mucosal thickness:
A 1-year randomized clinical trial. J Clin Periodontol. 2021 Oct;48(10):1302-1311. PMID: 34101234

インプラントを長く快適に使っていくためには、周囲の骨をどれだけ守れるかがとても大切です。治療後しばらくしてから「歯ぐきの下で骨が減ってしまう」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。

今回は、「インプラント アバットメント 高さ」と「インプラント 骨吸収」の関係について調べた最新の研究をご紹介します。ひのまる歯科では、こうした細かな工夫を治療に取り入れています。

この研究は、1ミリと3ミリという異なる高さのアバットメント(インプラントと人工の歯をつなぐパーツ)を比較し、それが周囲の骨にどのような影響を与えるかを調べたものです。インプラントは歯ぐきの下1.5ミリの位置に埋め込まれ、最終的な人工歯は16週間後に取り付けられました。

結果としては、3ミリの高さのアバットメントを使ったグループでは、インプラントの周囲の骨がほとんど減らなかったということが分かりました。

・1ミリのアバットメント:骨の吸収量がやや多かった(近心0.17mm、遠心0.21mm)

・3ミリのアバットメント:骨の吸収はほとんど見られなかった(近心・遠心ともに0.03mm)

また、意外にも、歯ぐきの厚さ(粘膜の厚み)は骨の吸収と直接の関係はなかったとされています。これは、これまでの常識に少し逆らう結果でもあり、注目されているポイントです。

この研究結果から言えることは、アバットメントの選び方ひとつで、インプラント周囲の骨の安定性に大きな差が出るということです。特に長期的に安定したインプラントを希望される方にとって、これは見逃せない情報です。

ひのまる歯科では、患者さん一人ひとりの骨や歯ぐきの状態を精密に診断した上で、適切なアバットメントの選定を行い、長く健康にインプラントを使っていただけるような治療方針を採っています。

治療の前に気になることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。インプラントの構造や選び方の工夫まで、分かりやすく丁寧にお伝えいたします。

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