Marco Toia, Andrea Parpaiola, Nicole Stevanello, Mustafa Tattan, Muhammad H A Saleh, Andrea
Ravidà. Clinical outcomes of implant- versus abutment-level connection in screw-retained fixed dental
prostheses: A 5-year randomized controlled trial. Clin Oral Implants Res. 2024 Feb;35(2):230-241.
PMID: 38012845
インプラント治療を検討されている方の中には、「インプラントの構造や取り付け方法によって、どれだけ長持ちするのか気になる」という声もよくあります。実際、人工歯をどこにどう接続するかによって、インプラントの安定性や周囲の歯ぐきへの影響が変わる可能性があるとされてきました。
今回ご紹介するのは、「アバットメントレベル接続」と「インプラントレベル接続」という2つの方法を比較した5年間の研究です。この研究では、どちらがより良いかを調べるために、50人の患者さんに119本のスクリュー固定式インプラントを行い、それぞれの経過を丁寧に観察しました。
結果としては、骨の吸収やインプラントの炎症、トラブルの発生率など、ほとんどの項目で大きな差は見られませんでした。
具体的には次のようなデータが出ています。
・骨の吸収量(MBL)は、どちらのグループも平均で0.23mmと同じ
・出血の頻度もほぼ同じ(アバットメントレベルで44%、インプラントレベルで45%)
・ポケットの深さはややインプラントレベルの方が深かったものの、臨床的に問題のある差ではありませんでした
・インプラント周囲炎の発症はゼロ。どちらも安定していました
つまり、インプラントを歯ぐきの上に接続するか(アバットメントレベル)、直接本体に接続するか(インプラントレベル)によって、5年間の経過に明確な差はなかったということです。
ひのまる歯科では、こうした科学的根拠に基づいた説明を行っています。設計の細かい部分まで確認し、その方のお口の状態に最も合った方法を選択することで、長く快適に使えるインプラント治療を心がけています。
「インプラントって難しい話が多くてよくわからない」と感じている方にも、わかりやすく丁寧にご説明いたします。ご相談だけでも、どうぞお気軽にお問い合わせください。