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2025.06.14

インプラントは連結?それとも1本ずつ?補綴設計の選び方とは

Andrea Ravidà, Muhammad H A Saleh, Miguel Carreño Muriel, Bartosz Maska, Hom-Lay Wang.
Biological and Technical Complications of Splinted or Nonsplinted Dental Implants: A Decision Tree for
Selection. Implant Dent. 2018 Feb;27(1):89-94. PMID: 29283896

「インプラントの歯は1本ずつ独立している方がいいのか、それともつないだ方がいいのか?」

ひのまる歯科でもよくいただくご相談です。

実は、隣同士のインプラントを1本ずつ装着する方法(ノンスプリント)と、複数のインプラントを連結する方法(スプリント)には、それぞれメリットと注意点があります。

このテーマについて、世界的なインプラント研究者であるAndrea Ravidàらがまとめたレビュー論文では、スプリントとノンスプリントの違いによる合併症のリスクや、設計の選び方を臨床判断ツリーとして提案しています。

まず結論から言うと、インプラントの生存率は、スプリントでもノンスプリントでも大きな差はありません

どちらも正しく使えば、しっかりと長持ちさせることが可能です。

しかし、注目すべきは生物学的・技術的な合併症の出やすさの違いです。

ノンスプリント(1本ずつ独立したクラウン)

 ・清掃性が高く、セルフケアしやすい

 ・ただし、1本ごとに荷重がかかるため、補綴物やスクリューに力が集中しやすく、破折や緩みなどのリスクがある

スプリント(連結されたインプラント)

 ・噛む力が分散され、1本ごとの負担が減る

 ・構造的に安定しやすく、技術的な合併症が少ないというエビデンスがある

 ・一方で、清掃がやや難しく、炎症が起きた場合の治療が複雑になることもある

そのため、患者さんの噛み合わせの状態、歯ぎしりの有無、歯ぐきや骨の状態、セルフケアの得意さなどを見極めることが、最適な設計を選ぶカギになります。

ひのまる歯科では、インプラント補綴設計に関しても患者さんと一緒にじっくり相談しながら進めていきます

インプラント治療を検討中の方には、将来のメンテナンスや生活習慣も含めた設計提案を大切にしています。

「つないだ方が強いの?」「掃除が難しくなるのでは?」

そういった疑問も、まずはお気軽にお聞かせください。

一人ひとりに合ったインプラント設計で、長く快適に噛める未来を一緒に考えていきましょう。

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