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2025.06.17

自然な歯ぐきを目指すインプラント治療

Stavros Pelekanos, Ioannis Vergoullis. Clinical Advances in Implant Transmucosal Contouring for
Single Implant Sites: Prosthetic and Biologic Considerations. Int J Periodontics Restorative Dent. 2023
May-Jun;43(3):301-310. PMID: 37141082

〜ヒーリングアバットメントの形が治療結果を左右する理由〜

インプラント治療を受けた方の中には、「歯ぐきの形が不自然になった」「見た目が左右で違う」と感じることがあります。こうした違和感の多くは、インプラントの上部構造が歯ぐきに与える影響によって生じます。

今回ご紹介するのは、インプラントのヒーリングアバットメント(仮歯や中間部品)をどう設計するかによって、見た目の自然さや歯ぐきの健康がどう変わるのかに焦点を当てた最新の知見です。

【ヒーリングアバットメントとは?】

インプラントを埋めたあと、歯ぐきの形を整えるために装着するパーツが「ヒーリングアバットメント」です。仮歯や中間アバットメントも、同様の役割を担うことがあります。

ひのまる歯科では、見た目だけでなく、清掃性や将来的なトラブルの予防までを考慮した形態設計(コンツアリング)を大切にしています。

【インプラント形態の3つのゾーン】

ヒーリングアバットメントのデザインは、3つのゾーンに分けて考えられています。

  1. Deep Zone(深部)

    インプラントと骨・歯ぐきが接する部位です。ここは直線的、または凹型に設計され、炎症リスクを抑え、骨吸収を防ぐことが目的です。

    エマージェンスアングル(立ち上がる角度)は15度以下が理想とされ、45度以上の急な立ち上がりは避けるべきです。

  2. Transitional Zone(移行部)

    歯ぐきの厚さや形に応じて、凸・凹・直線的な形状を使い分けるゾーンです。特に頬側(見える側)のふくらみのコントロールが審美的に重要になります。

  3. Cervical Zone(歯ぐきの頂点付近)

    ここはプラークがたまりやすいため、清掃しやすく、かつ組織に優しい形が求められます。厚い歯ぐきにはわずかに凸状、薄い歯ぐきでは深く凹型に整えることが多いです。

【正しい形が健康な歯ぐきを育てる】

「インプラント ヒーリングアバットメント」は、ただ単に仮の部品ではありません。歯ぐきの形を誘導し、清掃のしやすさと長期的な安定性を決める大事な要素です。

特に、抜歯即時埋入や歯ぐきが薄い症例では、最初の設計で将来の見た目や炎症のリスクが大きく変わるため、慎重な設計が必要です。

【ひのまる歯科では】

千駄木エリアでインプラント治療をご検討の方へ。

ひのまる歯科では、一人ひとりの骨や歯ぐきの状態に合わせたアバットメント設計を行っています。

見た目が自然で、清掃しやすく、トラブルを起こしにくいインプラント治療をご希望の方は、ぜひご相談ください。

ヒーリングアバットメントの形一つが、あなたのインプラントの寿命を大きく左右するかもしれません。

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