J Derks, J Håkansson, J L Wennström, C Tomasi, M Larsson, T Berglundh.
Effectiveness of implant therapy analyzed in a Swedish population: early and late implant loss. J Dent
Res. 2015 Mar;94(3 Suppl):44S-51S. PMID: 25503901
〜スウェーデンの大規模調査から見えてきた現実〜
「インプラントは一生使えるのですか?」
これは、ひのまる歯科でも多くの患者さまからいただくご質問です。
結論から言えば、インプラントは非常に成功率の高い治療法ですが、すべての人にとって「永久的に持つ」とは限りません。
今回は、スウェーデンで行われた大規模な全国調査の結果をもとに、インプラントの長期的な成績について分かりやすく解説します。
【スウェーデンでの調査とは?】
この研究は、2003年にインプラント治療を受けた4,716名の患者を対象に、9年間の追跡調査を行ったものです。対象は専門医ではなく、一般歯科医800名以上が行った治療に基づいており、実際の臨床現場に近いデータとして注目されています。
【インプラントはどのくらい失われるのか?】
治療後のインプラント喪失には、大きく分けて2つのタイミングがあります。
・早期インプラント喪失(補綴装置装着前に抜けてしまう):患者の4.4%、インプラントの1.4%
・晩期インプラント喪失(装着後しばらくしてから脱落する):患者の4.2%、インプラントの2.0%
合計すると、約7.6%の患者が、少なくとも1本のインプラントを喪失しているという結果になりました。これは、約13人に1人の割合です。
【どんな人がインプラントを失いやすいのか?】
統計解析の結果、以下のような特徴がリスクを高めていました:
・喫煙をしている
・歯周病の既往歴がある
・10mm未満の短いインプラントを使っている
・特定のインプラントブランドを使用している(晩期喪失との関連)
つまり、患者さんごとのリスク評価と、インプラント選定の工夫が重要になるということです。
【ひのまる歯科では】
ひのまる歯科では、次のような点を重視しています。
・喫煙歴や歯周病リスクをふまえた個別の治療計画
・適切なインプラントサイズとブランドの選択
・治療後の定期的なメンテナンスとサポート
また、術後はインプラント周囲炎や骨吸収の兆候を早期に発見するための精密な検査も欠かしません。
【まとめ】
この調査からは、インプラントは万能ではないものの、きちんと管理すれば長く機能する治療法であることが再確認されました。
ひのまる歯科では、研究で最も喪失率の低かったStraumannのインプラントを使用しています。
経験に基づく丁寧な診断と、10年後も20年後も笑顔でいられる治療設計をご提案します。