ブログ

2025.06.17

インプラント周囲炎の発症率は?

Momen A Atieh, Nabeel H M Alsabeeha, Clovis Mariano Faggion Jr, Warwick J Duncan.
The frequency of peri-implant diseases: a systematic review and meta-analysis. J Periodontol. 2013
Nov;84(11):1586-98. PMID: 23237585

〜メンテナンスの大切さを知るために〜

「インプラントは虫歯にならないから、メンテナンスはいらないですよね?」

そうおっしゃる方が、いまだに少なくありません。

たしかに、人工物であるインプラントそのものは虫歯にはなりません。ですが、周囲の歯ぐきや骨が炎症を起こすことがあるのです。これがインプラント周囲炎と呼ばれる状態です。

今回は、インプラントについて知りたかたやすでにインプラント治療を受けられた方へ向けて、科学的な根拠に基づいた実際の発症率と予防のポイントをお伝えします。

【そもそもインプラント周囲炎とは?】

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲に炎症が起き、やがて骨が溶けてしまう状態を指します。軽度の炎症である「インプラント周囲粘膜炎」が進行すると、骨の吸収を伴う周囲炎へと悪化します。

放っておくと、せっかく埋入したインプラントが脱落してしまうリスクもあります。

【どれくらいの人がかかるのか?】

国際的な研究によると、インプラント周囲疾患は決して珍しいものではないことが分かっています。

2013年に発表された系統的レビューでは、以下のような結果が報告されています。

インプラント周囲粘膜炎の発症率

 患者レベル:63.4%

 インプラントレベル:30.7%

インプラント周囲炎の発症率

 患者レベル:18.8%

 インプラントレベル:9.6%

このように、5人に1人近くが周囲炎を発症しているというデータは、多くの患者さんにとって驚きではないでしょうか。

【誰がなりやすいのか?】

統計的に見て、喫煙習慣がある方は周囲炎のリスクが高く、特に注意が必要です。また、定期的な歯周ケア(Supportive Periodontal Therapy)を受けている人は、周囲炎の発症率が低く抑えられる傾向がありました。

【ひのまる歯科では】

ひのまる歯科では、インプラントのメンテナンスも重要に考えて、治療後の定期管理を大切にしています。

・歯ぐきの状態を定期的にチェック

・インプラント周囲の深い部分までクリーニング

・日常のセルフケアのサポートと指導

過去にインプラント治療を受けたが、メンテナンスをしていなかったというケースが少なくありません。

【まとめ】

インプラントは高い成功率を誇る治療ですが、治療後の継続的なケアがあってこそ長持ちします

歯ぐきの炎症や違和感があるときには、できるだけ早く専門的な診察を受けることをおすすめします。

インプラント治療後のメンテナンスや再チェックをご希望の方は、ひのまる歯科までお気軽にご相談ください。

地域密着型の歯科医院として、千駄木周辺で安心して通える継続ケアをお届けしています。

TOPへ戻る
tel.03-5809-0707tel.03-5809-0707