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2025.06.18

インプラント周囲炎の治療法はどこまで進んでいるのか

Georgios E Romanos, Fawad Javed, Rafael Arcesio Delgado-Ruiz, José Luis Calvo
Guirado. Peri-implant diseases: a review of treatment interventions.
Dent Clin North Am. 2015 Jan;59(1):157-78. PMID: 25434564

〜表面除染から再生治療までの最新知見〜

インプラント治療を終えた方の中には、「最近、歯ぐきの腫れや出血がある」「なんとなくインプラントの周囲が気になる」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

それはインプラント周囲炎の初期症状かもしれません。

今回は、最新の治療法や予防策について分かりやすくまとめました

【インプラント周囲炎の原因とは?】

インプラント周囲炎の原因は、主に細菌性プラークの蓄積です。これは天然歯の歯周病と同じく、歯ぐきの中に細菌が侵入し、免疫反応を起こして骨が破壊されていく病気です。

また、以下のような要因がリスクを高めることがわかっています。

・プラークコントロールが不十分

・過去に歯周病を患っていた

・喫煙や糖尿病

・セメントの残留や過剰な咬合力

つまり、セルフケアや体調管理が重要なカギになります。

【治療法はどう進んでいる?】

Romanosらのレビューによると、治療法は主に「非外科的」と「外科的」の2種類に分けられます。

■ 非外科的治療(基本は清掃)

専用の器具や洗口剤を使って、インプラント周囲の汚れや細菌を取り除く方法です。

・クロルヘキシジンなどの抗菌剤と併用すると効果が上がることもあります。

・ただし、インプラントの表面構造によっては細かい凹みに汚れが残りやすく、効果には限界があるとも報告されています。

■ 外科的治療(再生を目指す)

炎症が進み、骨の吸収がある場合は、外科的な治療が選ばれます。

・インプラント表面を露出させて徹底的に洗浄し、必要に応じて**再生療法(GBR)**を行います。

・このとき使われる材料には、骨補填材やコラーゲン膜などがあります。

3年間の追跡調査では、外科的治療の方がポケットの改善に効果的というデータもありました。

【インプラント表面の除染も重要】

最近注目されているのが、インプラントの表面除染という技術です。

細菌が奥深くまで入り込んでいるため、さまざまな方法で「表面をきれいにする」ことが重要になっています。

・機械的な方法(専用の器具、インプラントプラスティ)

・化学的な方法(過酸化水素やクエン酸、テトラサイクリンなど)

・レーザー照射

これらを組み合わせることで、再発のリスクを減らすことが期待されます。

【抗生物質は効くの?】

抗生物質の併用についても多くの研究が行われています。

・局所や全身の抗生物質投与によって炎症が改善した報告はありますが、必ずしもすべての患者に効果的というわけではありません

・また、副作用や耐性菌のリスクもあるため、専門的な判断が求められます

【ひのまる歯科では】

ひのまる歯科では、インプラント治療を受けたすべての患者さまに対して、長期的なメンテナンスプログラムを提供しています。

・歯ぐきのチェックやX線撮影

・必要に応じた表面除染

・進行したケースでは再生療法のご提案

【まとめ】

インプラント周囲炎は、予防と早期治療が最も大切です。

日々のケアと定期的なプロフェッショナルクリーニングが、インプラントの寿命を大きく左右します。

「違和感があるけれど、放っておいていいのかな」

そう感じたときが、受診のサインかもしれません。

あなたのインプラントを、これからも健康に保つために。

私たちは、いつでも千駄木でお待ちしています。

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