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2025.06.18

インプラントの炎症が進行してしまったとき、外科治療で改善できるのか?

Olivier Carcuac, Jan Derks, Ingemar Abrahamsson, Jan L Wennström, Max Petzold,
Tord Berglundh. Surgical treatment of peri-implantitis: 3-year results from a randomized
controlled clinical trial. J Clin Periodontol. 2017 Dec;44(12):1294-1303. PMID: 28902426

インプラントは失った歯を取り戻すための大切な治療法ですが、メンテナンスが不十分な場合、インプラントの周囲に炎症が起きることがあります。これを「インプラント周囲炎」と呼び、進行すると顎の骨にまで影響が及ぶことがあります。

ひのまる歯科でもご相談の多いインプラント周囲炎について、今回は臨床研究の結果をご紹介します。

スウェーデンの研究チームが行った臨床試験では、100名のインプラント周囲炎を持つ患者を対象に、4つの治療法を比較しました。全員が進行した状態(ポケット深さ6mm以上、出血や膿があり、骨の吸収が3mm以上)で、治療はいずれも外科的に行われました。

治療方法の違いは「抗生物質の有無」と「殺菌剤の使用有無」に分かれており、治療後の経過を3年間にわたり追跡しています。

その結果、平均でポケットの深さは2.7mm改善し、炎症の指標となる出血や膿のあるインプラントは40%減少しました。

特に注目されたのは、インプラントの表面の違いです。表面に加工のないインプラントでは治療効果が安定しており、深いポケットの再発率も低く抑えられていました。一方、表面に加工がされているインプラントでは、抗生物質の併用によって効果が高まりましたが、その効果は1年ほどで落ち着き、3年後には再び深いポケットが出現する傾向も見られました。

また、骨の吸収については、3年経ってもほとんど進行していなかったという報告もあります。

この研究は、外科治療がインプラント周囲炎に対して有効であることを示しており、どのような治療を選ぶかは、インプラントの種類や進行の程度によって変わることが分かりました。

ひのまる歯科では、インプラント周囲炎の早期発見・早期対応を心がけ、千駄木近隣にお住まいの皆さまが安心してインプラント治療を受け続けられるようサポートしています。

違和感や腫れ、出血が気になる方は、お早めにご相談ください。外科的な治療が必要かどうかは、しっかりと診査してご説明いたします。

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