Lindhe J and Nyman S.
The effect of plague control and surgical pocket elimination on the
establishment and maintenance of periodontal health. A longitudinal
study of periodontal therapy in cases of advanced disease.
J Clin Periodontol2:67-79,1975
歯ぐきからの出血やグラグラする歯に気づいたとき、それが「歯周病」のサインかもしれません。特に、骨が大きく溶けてしまっているような重度の歯周病の場合、「もう抜くしかないのでは…」と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この研究が、そういった重度のケースでも歯を守り抜ける可能性を示しています。今回は、歯周病治療の礎となったLindheとNymanによる長期研究をご紹介します。
この研究では、進行した重度歯周病を抱える75名の患者が、徹底したプラークコントロールと定期的なメンテナンスを受けながら、5年間にわたって経過観察されました。参加者の多くが歯を支える骨の50%以上を失っていた状態から治療が始まりました。
初めに行われたのは、歯ぐきの中を丁寧に掃除する初期治療と、必要に応じた歯周外科処置です。その後は、3〜6ヶ月ごとにメンテナンスとしてクリーニングと口腔衛生の指導を受け、年に一度、歯ぐきの状態やレントゲンによる骨の確認がされました。
治療前、歯周ポケットの平均の深さは5.7ミリありましたが、治療後はすべての時点で平均3ミリ未満に改善されており、炎症の指標となる数値も安定していました。さらに、治療から5年経っても骨の量はほとんど変化せず、歯ぐきの健康が維持されていたのです。
特に注目すべきは、この研究に参加した方たちが「プラークをつけない生活」を真剣に取り組み続けたことです。その努力が、歯周病の再発を防ぎ、長期的な歯の保存につながりました。
ひのまる歯科でも、重度の歯周病治療においては、治療そのものよりも、その後のメンテナンスとプラークコントロールこそが最も大切だと考えています。たとえインプラント治療をご検討中の方でも、天然の歯を残せる可能性がある場合には、まずしっかりとした歯周治療を行うことが最優先です。
歯を失う前に、一度ご自身の歯ぐきの状態を見直してみませんか?
ひのまる歯科では、初診相談から専門的な検査・治療・メンテナンスまで、一貫してサポートいたします。重度の歯周病でも、あきらめずに一緒に治していきましょう。