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2025.06.23

歯周病は「治療の後」が大切です:歯周ポケット内の細菌はすぐに戻ってくる?

Magnusson I, Lindhe J, Yoneyama T, Liljenberg B.
Recolonization of a subgingival microbiota following scaling in deep pockets.
Comparative Study J Clin Periodontol. 1984 Mar;11(3):193-207.

歯周病治療を受けた後、「もう治ったから大丈夫」と思ってしまう方も少なくありません。しかし実は、治療後のプラークコントロール(歯磨きによる歯垢の管理)を怠ると、歯ぐきの奥にいた細菌たちは、驚くほど早く元の状態に戻ってしまうのです。

スウェーデンの研究者たちが行った重要な実験結果をご紹介します。

この研究では、16名の歯周病患者が参加し、深い歯周ポケット(歯ぐきの奥の溝)に対して専門的なクリーニング(深いところの歯石除去)が行われました。その後、患者さんを以下の2つのグループに分けました。

・グループA:治療後、16週間にわたり自宅でのケアや歯科医院での指導が一切行われなかったグループ

・グループB:治療後も2週間ごとに歯科医院でクリーニングと指導を受け、殺菌作用のある薬剤(クロルヘキシジン)でのうがいも継続したグループ

その結果、グループBでは歯ぐきの炎症やポケットの深さが大きく改善し、細菌の数も著しく減少していました。一方、グループAでは治療後しばらくすると、ポケット内に再び悪い細菌(スピロヘータや運動性桿菌など)が戻ってきてしまい、状態の改善が一時的なものになってしまったのです。

特に、歯周ポケットが7mm以上と深かった部位では、1回のクリーニングでは十分な改善が得られず、継続的なケアが必要であることも明らかになりました。

「歯周ポケッの改善」を目指すなら、治療後の継続的なメンテナンスが不可欠です。治療のスタート地点は、歯ぐきの奥深くに潜む細菌を取り除くこと。しかしその後は、患者さんご自身の毎日のブラッシングと、私たち歯科チームによる定期的なクリーニングとチェックが歯を守る鍵になります。

ひのまる歯科では、歯周病の治療後も「再発させないこと」を大切にしています。インプラント治療をお考えの方にとっても、健康な歯ぐきを維持することは非常に重要です。まずはご自身の歯周ポケットの深さや炎症の有無を一緒に確認してみませんか?

治療で終わらず、治療後こそ本番です。あなたの歯と歯ぐきを一緒に守っていきましょう。

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