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2025.06.23

歯周外科は“術後のケア”が決め手です:手術後のメンテナンスの重要性を示した研究から

Nyman S, Lindhe J, and Rosling B.
Periodontal surgery in plaque-infected dentitions.
J Clin Periodontol. 1977;4:240-249

「歯周病の手術を受ければ、それで安心」──そう思っていませんか? 実は、手術そのもの以上に「その後のケア」が、長期的な健康を左右することがわかっています。

今回は、1977年に行われた重要な研究をご紹介します。この研究は、「歯磨きが不十分でプラーク(歯垢)をしっかり取り除かずに手術をした場合、どのような結果になるのか?」という、非常にシンプルで現実的な疑問に取り組んだものです。

研究では、中等度から重度の歯周病患者25名を対象に、5種類の歯周外科手術(フラップ手術や歯肉切除など)が行われました。手術後には2週間だけ殺菌うがい薬を使いましたが、その後の歯みがき指導や定期的なクリーニングは行われませんでした。

その結果、術後2ヶ月まではプラークが少なく良好な状態でしたが、半年後には再びプラークがたまり、2年後には手術で改善されたはずの歯周ポケットが再び深くなってしまったのです。

特に、歯ブラシが届きにくい隣接面や舌側の歯ぐきでは、ポケットの深さが増し、アタッチメント(歯を支える組織)が失われていく様子が確認されました。頬側など磨きやすい場所では比較的良い結果が得られていたにもかかわらず、全体としての予後は悪化の兆候を示しました。

この研究からはっきり言えるのは、「歯周外科手術を成功させる鍵は、術後のプラークコントロールにある」ということです。つまり、どんなに良い手術をしても、その後にしっかりとしたメンテナンスがなければ効果は長続きしません。

ひのまる歯科では、歯周外科治療を行う際も、術後のメンテナンスまでを一貫して計画に組み込み、患者さんと一緒に結果を守っていく姿勢を大切にしています。正しい知識と支援があれば、再発を防ぎ、長期的に歯を守ることができます。

歯茎が気になるかた、過去に治療したけれど不安がある方は、ぜひ一度、ひのまる歯科にご相談ください。治療はゴールではなく、スタートです。あなたの歯を守るため、私たちが一緒に伴走します。

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