Nyman S, Rosling B, and Lindhe J.
Effect of periodontal tooth cleaning on healing after periodontal
surgery.J Clin Periodontol 2:80-86,1975.
「歯周病の手術をすれば治る」と思っている方にこそ、知っていただきたい研究があります。それは、1975年にスウェーデンで行われた、歯周病治療とメンテナンスの頻度に関する重要な臨床試験です。
この研究では、重度の歯周病患者20名を対象に、まずウィドマンフラップ手術(古典的な歯周外科)を行いました。その後、患者さんを2つのグループに分けました。
ひとつのグループは、2週間に1回の頻度でプロによるクリーニング(PMTC)と口腔衛生指導を2年間継続。もう一方のグループは、6ヶ月に1回のスケーリングだけを2年間行いました。
その結果、2年後には大きな違いが現れました。
2週間ごとに通院したグループでは、アタッチメント(歯を支える組織)が0.1mm回復しました。一方、半年ごとの通院グループでは、2.2mmも失われてしまったのです。
この結果は、「メンテナンスの頻度が治療結果に直結する」という事実を明確に示しています。つまり、どんなにしっかりした歯周外科手術を受けたとしても、術後のメンテナンスが不十分であれば、徐々に症状は元に戻ってしまうということです。
ひのまる歯科では、歯周外科手術後のメンテナンス計画を非常に重視しています。もちろん2週間に1度の通院は現実的に難しいかもしれませんが、患者さんの生活スタイルに合わせて最適な頻度を一緒に考え、調整しています。
治療は一度きりの努力で終わるものではありません。むしろ、その後のケアこそが、あなたの歯を何十年も守る鍵になるのです。