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2025.06.24

「1日1回の歯みがきでも大丈夫?」──最新研究をわかりやすく解説

De Frietas GC, Pinto TMP, Grellmann AP, Dutra DAM, Susin C,
Kantorski KZ, Moreira CHC. Effect of self-performed mechanical
plaque control frequency on gingival inflammation revisited: a
randomized clinical trial. J Clin Periodontol 2016; 43: 354–358.

「歯みがきは朝晩2回しなきゃダメ?」

そんな疑問にヒントをくれる新しい臨床試験が報告されました。

でも、“1日1回でもOK”と早とちりするのは危険かも?

今回は 2016年の無作為化臨床試験(De Frietas ら) を、

誤解のないようにやさしく紐解いていきます。


1. どんな研究だったの?

ポイント 内容
対象 健康な大学生 39名(※歯周病リスクが低い集団)
準備期間 1か月かけてプロの指導で「ほぼ炎症ゼロ」まで仕上げた
わかれたグループ ①12時間ごと②24時間ごと③48時間ごとにセルフケア
(ブラッシング+フロス)
期間 たった30日
チェック項目 プラーク量・歯ぐきの炎症・歯ぐきの浸出液量

2. 結果は?

  • 12時間ごと(朝晩)24時間ごと(1日1回)

    炎症やプラーク量にほぼ差が出なかった

  • 48時間ごと(1日おき)

    ↳ プラークも炎症も明らかに増加

つまり → 「1日おき」はアウト。

1日1回 vs 1日2回の差は、短期(30日)かつ健康な若者ではハッキリ出なかった


という“実験室”レベルの話です。


3. すぐに「1日1回でOK」と言えないワケ

  1. 対象は低リスクの若者

    • 歯周病経験者・喫煙者・高齢者・矯正装置あり…

      私たちの多くはもっとハイリスクです。

  2. 期間は30日だけ

    • 歯周病は“静かに長く”進む病気。数か月〜数年のデータが必要。

  3. フロスを毎回セットで使う前提

    • 実際にはフロス使用率が低いのが現状。

  4. スタート時にプロが徹底クリーニング

    • 歯石や被せ物の段差など、現実の口内はもっと複雑です。


4. では、私たちはどうすれば?【2025年版おすすめセルフケア】

ケア項目 目安 ワンポイント
歯ブラシ 1日2回(朝・寝る前) 寝る前は特に丁寧に3分以上
フロス/歯間ブラシ 1日1回 歯ぐき炎症は“歯と歯の間”から
定期プロケア 3〜6か月ごと 歯石取り&磨き残しチェック
ハイリスク(インプラント・矯正・喫煙など) 1〜3か月ごと 専門家とプランを相談

5. まとめ

  • 48時間あけると炎症が増える──これは最新研究でも再確認されました。

  • 1日1回で済むかどうか は、年齢・リスク・磨き方の精度で大きく変わります。

  • 安全策はやはり 「朝晩のブラッシング+毎日のフロス」

  • むしろ回数より “質”。力まかせではなく、歯と歯ぐきの境目を優しく丁寧に。

迷ったらプロに相談!

当院ではあなたのお口のリスクに合わせて、

最適な磨き方と通院間隔をご提案しています。

一緒に“あなた仕様”のセルフケアを完成させましょう。

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