Valkenburg C, Slot DE, Bakker EWP, Van der Weijden FA.
Does dentifrice use help to remove plaque? A systematic review. J Clin
Periodontol 2016; 43:1050-1058.
「歯磨き粉って使った方がいいんですか?」
「磨くだけで十分なら、歯磨き粉は必要ない?」
そんな素朴な疑問をお持ちの方は少なくありません。
実はこのテーマ、世界中でたくさんの研究が行われてきました。
今回は、「歯磨き粉がプラーク除去にどれだけ効果があるのか?」を調べた信頼性の高い科学的レビュー論文をもとに、分かりやすくご紹介します。
そもそも歯磨き粉の役割って?
多くの人が「歯磨き粉=口の中をきれいにするもの」と思っていますが、実際にはこんな役割があります:
-
さっぱりとした爽快感
-
フッ素などの薬用成分の供給
-
着色汚れの除去サポート(研磨剤の作用)
-
泡立ちによる洗浄感
でも、「歯垢(プラーク)を物理的に落とす」という意味では、実際にどれくらい役立っているのでしょうか?
研究でわかった意外な事実
オランダの研究チームが2016年に発表したシステマティックレビューでは、「歯磨き粉の有無でプラーク除去に差があるのか?」を10本の臨床研究から調査しました。
その結果、次のような事実が明らかになりました。
・プラーク除去効果に統計的な差はない
-
歯磨き粉あり:プラーク除去率 約49.2%
-
歯磨き粉なし:プラーク除去率 約50.3%
この差は「ほぼ誤差の範囲内」で、歯磨き粉の有無がプラーク除去の結果に影響を与えるとは言えないという結論でした。
でも、歯磨き粉が“いらない”というわけではありません
この結果だけを見ると「じゃあ歯磨き粉っていらないのでは?」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
研究では「一度だけの歯磨きによる効果」しか調べておらず、長期的な虫歯予防・歯周病予防効果は評価していないのです。
たとえば、歯磨き粉に含まれるフッ素には歯を強くし、虫歯を予防する大切な役割があります。
また、最近では歯周病予防成分入りの歯磨き粉も多く、毎日のケアに取り入れることでお口全体の健康維持に役立つのは間違いありません。
ひのまる歯科が考える、正しい使い方
「ひのまる歯科」では、次のように考えています。
-
歯磨き粉は補助的な存在で、主役は「正しい歯ブラシの使い方」
-
フッ素配合の歯磨き粉は、虫歯予防に必須
-
大切なのは「どの歯磨き粉を使うか」よりも「どれだけ丁寧に磨けているか」
特に、お子さんや歯ぐきのトラブルがある方、虫歯のリスクが高い方には歯磨き粉の選び方や使い方を丁寧にご案内しています。
まとめ:歯磨き粉は“便利な味方”。でも、一番大事なのは磨き方
・歯磨き粉を使っても使わなくても、1回のプラーク除去効果に大きな差はない
・でも、虫歯・歯周病予防にはフッ素入りの歯磨き粉が効果的
・一番大切なのは「磨き方の質」と「毎日の習慣」
ご自身の歯や歯ぐきに合ったケア方法を知りたい方は、ぜひ一度「ひのまる歯科」にご相談ください。
毎日する歯磨きだからこそ、正しく行えば「一生自分の歯で過ごす」ことも夢ではありません。千駄木でお口の健康を守るパートナーとして、私たちが全力でサポートします。