むし歯ができたときの治療として詰め物や被せ物による治療があります。
その中でも素材の違いとして銀歯である保険診療で行う銀歯やレジンによる修復とセラミックなどによる自費診療の素材があります。
修復物の耐用年数
修復物の平均生存期間と再治療率
詰め物・被せ物である修復物には大きく分けて銀歯などの金属を使用した修復物と金属を一切使用しない修復物の2種類に分かれます。
その中で金属を使用する修復物の種類としては上記のとおりになります。
コンポジットレジンは金属は使用しませんが、プラスチックの素材になります。
上記のようにKaplan−Meier法により算出した平均生存期間と再治療に対して計算した結果、メタルインレーが最も長く、次いでコンポジットレジン、4/5冠、メタルクラウンの順番になっています。メタルブリッジが最も短い生存期間という結果になりました。
各修復物の3年・5年・10年生存率
各修復物の生存率はメタルインレーは5年で88.0%、10年で67.5%、コンポジットレジンは5年で73.5%、10年で60.4%、メタルクラウンは5年で74.8%、10年で55.8%になります。
このことから3年はそこまで変わりありませんが、5年経ったころからメタルインレー以外が70%台まで下がります。10年経つとメタルインレー以外は60%やそれ以下までに下がっていきます。
再治療の原因
上記からわかる通り、再治療の高い原因としては二次う蝕つまりむし歯が最も多い原因です。
そのなかでもコンポジットレジンは二次う蝕になる歯の数が最も多く、逆に根尖病巣が原因で元々が大きいむし歯であった、多く歯を削らなければいけなかった場合に用いるクラウンやブリッジが多く、失活歯の割合が高く、生存期間も少ない修復物であることがわかります。
セラミックによる修復物について
セラミックによる修復については様々な歯科医院様で推奨されていますが、なぜ推奨されているかの理由について説明いたします。
当院が考えるセラミック治療は
- 再治療率が低い
- 見た目の審美性が高い
- むし歯や歯周病になりづらい
- 変形や変色がしにくい
などの利点が挙げられます。
統計データ、各種論文のデータを見ていきますとおよそ10年で90%以上の生存率を誇ります。10~20年くらいは再治療の必要がないと言えます。
ただ、その周りの歯や日々のメインナンスなどにより異なります。
セラミック修復物の生存率
これは、高温でガラスを融解し、鋳型に流し込む製法で、光の透過性が優れているため、より自然の歯に近い色を出すことができます。
二ケイ酸リチウムガラスセラミック部分被覆修復の生存率は10年で約95%で平均すると10.9年の生存率になりました。
セラミックの完全および部分カバレッジ修復では、16.9年の生存率で96%以上が生存していると発表されています。
長期的な歯の保存を考えるならセラミックがお勧め
修復物の生存率が高ければ、歯を削るリスクは少なくなることから、結果、長期的に口腔内の状態を良好に保つ事が出来るのです。
一度歯を削ってしまうと再治療率は天然歯とりも高くなります。そのため、常にリスクを抱えていることになります。
いかに、その歯を長期的に守っていくかについて長持ちする歯に修復をする、メインテナンスをしっかり行うことで再発の防止でリスクを軽減していきます。